GM
12:前と同じ客だ。すっかりあなたをお気に入りにしている。
ナオ
ぽてぽてと部屋の中央までやってきて、かわいらしくあなたに手を振る。
ナオ
「おれのごっこ遊びに、付き合ってくれそうだからって」
ナオ
「だからちゃんと、いつわりだって割り切ってたほうが」
ナオ
うさぎのぬいぐるみがうんうん、とベッドサイドで頷いている。
ナオ
「きみのすきな人が、すきだったきみのままで、いさせてあげたい」
ナオ
「だからいまでは、本当のじぶんの気持ちなんてものが」
ナオ
「こんなふうに……きみがいいように、使われることを」
ナオ
「きみには好きなひとがいるのに、こんなことをしなければいけない立場に」
GM
あなたなんか忘れて、別の子のところにいけばいいのにね。
ナオ
「きみの気持ちに寄り添えない、ふたりぼっちなんていらないから」
ナオ
「きみのこころのいちばん大事なところには、おいておかないで」
ナオ
だから、ベッドサイドにおいて、撫でるくらいでいいよ。
イチハ
この部屋に来て──あなたと出会うことは無かったのよ。
GM
救世主が贔屓しているとわかれば、末裔は手出ししない。
ナオ
「布をさわるときは、職業柄……? ちょっと慎重になる」
ナオ
ベッドサイドに伸ばされた見えない手が、心を撫でていく。
ナオ
ベッドが軋む。 恋人というより、親しいともだちと内緒話をするようなしぐさで座る。
ナオ
「ここはきみときみの気持ちを殺していくだけの牢獄だ」
GM
*クエストNo.5 心を解くにより、ナオの凶器は素手に
ナオ
「きみがここで緩やかに死んでいくことに、おれは耐えられない」
ナオ
「きみのかいぶつが、何度でもそう言ってあげるから」
GM
末裔であったとしても、傍に救世主がいれば、そのコインの力を引き出すことができます。
GM
*イチハは能力値1点を割り振り、ナオは能力値を1点まで減らしてください。
ナオ
「まちがいない。きみのかいぶつが言うんだから、絶対に、そうだから」
ナオ
「この前亡者を倒したときのお金が、まだ残ってるからさ」
ナオ
「ケーキっていっても、堕落の国だから、シフォンケーキだけどさあ」
GM
小さな部屋に、その嗚咽から逃れる場所はありません。
ナオ
自分のお下がりの、女物の着替え。水筒。なけなしの食料。
ナオ
「ここから西のほうに行くと、もう少し大きい街があって」
ナオ
「君の探している人の噂も、もしかしたら聞けるかもしれない……」
ナオ
ルートはこっち、馬車を借りよう。路銀はまだ大丈夫。
ナオ
「いちおう服は揃えたけど、あんまりかわいくなくてごめんね」
ナオ
「きみが望むなら、ぬいぐるみでも白馬でも馬車でも」
GM
イチハ。あなたはいつでもこの部屋の物語を終わらせることができました。
GM
あなたが終わらせると決めたとき、それが裁判開廷の合図です。
GM
*裁判MOD『不意を突く』の名称を改め、裁判MOD『あなたを受け入れる』に変更します。