GM
『It Happens All The Time.』
――それはよくあること。
GM
日々は緩やかに過ぎていきます。亡者が攻め込んでくるようなこともなければ、あなたがたに頼まれるようなこともありません。
GM
先日の亡者の一件から、末裔たちの尊敬をより強く集め、村を出歩けば感謝の念を告げられることもあるでしょう。
GM
あの事件での死者は16名。負傷者はおおよそその倍。
GM
しかしあなたがたがいなければ、この村はもう存在してなかったでしょう。
GM
そうなったとしても、それはよくあることですが。
ドードーの末裔
それはウィル・ホーソンが席を外したときでした。
ドードーの末裔
あなたがたの世話をするドードーの末裔がお茶をいれながら、ミュールに話しかけます。
ドードーの末裔
「そういえば、救世主様は……この村からはお出になられないのですか?」
ドードーの末裔
「救世主の責務、あるいは、30日ルールと呼ばれるものを……」
ウィル・ホーソン
ミュール。あなたは見たことがあるかもしれない。
ウィル・ホーソン
ウィル・ホーソンが、手帳に、なにか書き記していたのを。
ウィル・ホーソン
それがあなたと出会い、過ごした日にちの数だということを。
ドードーの末裔
「救世主は……救世主を、探し求めなければいけない義務を、追っているのですよ」
ドードーの末裔
「それは、この世界から与えられた呪いともいえるかもしれません」
GM
そして同時に、あの日彼が被っていた血の意味。
ドードーの末裔
「救世主は、救世主を殺さなければならないのです」
ミュール
「救世主は、救世主を殺さなければならない」
ドードーの末裔
「30日間の間に裁判で犠牲を出さなければ、救世主様は亡者になってしまうのです」
ドードーの末裔
ドードーの手が止まっている。ポットにお湯を注いでから、そのまま時間が過ぎている。
ドードーの末裔
ダージリンティーの茶葉は、お湯を入れてからカップに次ぐまでの時間は3分。それ以上に抽出すれば、余計な苦味までもが出てしまう。
ドードーの末裔
「でしたら、すぐに、この村から出てお探しになってください。もしかしたら、どこかで他の救世主にお会いできるかもしれません。地図……地図なら、ご用意いたしますから」
ドードーの末裔
「いえ、裁判で一人犠牲にすればよいですから、二人で一人で構いません」
ドードーの末裔
もっと早くその事実を聞かされていれば、あるいは探す希望も見いだせたかもしれません。しかし時を覆すことは叶いません。
ミュール
見つかる保証のない水底から、砂金を掬い上げようとする行為にひとしい。
ドードーの末裔
同時にそれは、あなたがウィル・ホーソンと行き会ったことがそれほどのことでもありました。
ドードーの末裔
「そうだ、大きな街なら……ここから馬で15日ほど……」
ドードーの末裔
「大きな街なら救世主様もいるものです」
ウィル・ホーソン
ミュール。貴女は手帳のバツの数を見ている。
ウィル・ホーソン
15日なんて、とてもじゃないけれど。
ウィル・ホーソン
あの恥知らずの白兎とは違いますからね。
ウィル・ホーソン
「遅くなってしまいました。ちょっと、捕まってしまいまして」
ドードーの末裔
「私は、余計なことを申し上げたかも、しれません」
ドードーの末裔
ウィル・ホーソンから離れるように、部屋の隅に退きます。
ウィル・ホーソン
笑顔でドードーの末裔を見つめてから、ゆっくりとミュールのほうへ向く。
ウィル・ホーソン
「いつの間に、そこまで親しくなったんです?」
ドードーの末裔
押し付けられます。受け取ったまま、中身も確認せずに棒立ちで。
ウィル・ホーソン
「夕飯はとびきりのものを頼むよ」
ドードーの末裔
その口調に、かえってドードーの末裔は冷静さを取り戻します。
ドードーの末裔
それから、静かにその家から出てゆきます。
ウィル・ホーソン
むしろここまで騙されてくれるなんて、思わなかったよ。
GM
ウィル・ホーソンが持って帰ってきた食材で、たしかにその日の夕飯はいくらか良いものが並びました。
GM
赤い粥を食べ慣れた身には、豪華な食事と言えるかもしれません。
GM
しかし並ぶ食事とは裏腹に、その食卓には冷たく張り詰めたものがありました。
GM
食卓は片付けられると、もうその日は末裔は世話には現れません。
GM
時計もない部屋で黙っていれば、ときおり荒野を吹き抜けてぶつかってくる風と、それに小屋が揺すぶられる音。それから互いの衣擦れ、足音、そして息遣い。
ウィル・ホーソン
ウィル・ホーソンは武器を布で磨き上げると、
ウィル・ホーソン
手帳を開いてペンでバツを入れます。
ウィル・ホーソン
つめたいソプラノ。魔女のとろけるような声。
ウィル・ホーソン
ベッドに腰掛けるあなたの、隣に座る。
ウィル・ホーソン
男ひとりぶんの体重が乗り、軋み、熱がある。
ウィル・ホーソン
そのページを開いて、右手の指でなぞる。
ウィル・ホーソン
15を数えたところで、次のページがめくられる。
ウィル・ホーソン
密室で、この男が自分から、ここまで近くに来たのは初めてだ。
ウィル・ホーソン
「荒野で出会ってから、何日経ちましたか?」
ウィル・ホーソン
隣で、それがはっきり感じられる。
ウィル・ホーソン
「なにか、内緒のお話があったみたいで」
ウィル・ホーソン
あまりにやわらかそうで、触れたくなる。近くにいる。あまい香りがする。
ウィル・ホーソン
魔女よ。汚らわしい、死ぬべきさだめの、美しい、魔女。
ウィル・ホーソン
どうやら目の前の男は、貴女を裏切っているみたいですよ。
ウィル・ホーソン
「そうやって、何人の男を騙してきたんだい」
GM
ウィル・ホーソン。あなたは何人の女を裁いて/陥れてきたのですか?
ウィル・ホーソン
「貴女が騙しているのは貴女だと」
ウィル・ホーソン
「歌のような言葉ばかりつぶやいて」
ウィル・ホーソン
「僕のために用意された食事のように、皿の上に横たわって」
ウィル・ホーソン
「そして全てを僕に明け渡すことを、そう呼んでいるのかな?」
GM
密室で、この男が自分から、ここまで近くに来たのは初めてだ。
ミュール
*ウィル・ホーソンの心の疵『ミュール』を舐めます
ウィル・ホーソン
Choice[猟奇,才覚,愛]
(choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
[ ウィル・ホーソン ] ティーセット : 1 → 0
ウィル・ホーソン
2d6+0+2=>7 判定(+愛)
(2D6+0+2>=7) > 7[6,1]+0+2 > 9 > 成功
[ ウィル・ホーソン ] ヤリイカ : 1 → 0
[ ウィル・ホーソン ] HP : 16 → 15
ミュール
*ティーセット使用します(ヤリイカ分相殺)
ミュール
2d6+3-6=>7 判定(+愛)
(2D6+3-6>=7) > 10[5,5]+3-6 > 7 > 成功
[ ミュール ] ティーセット : 1 → 0
GM
ウィル・ホーソン。魔女の言葉に耳を貸すべきではありません。
何人もの男たちがその呪いに堕ちて、愚かな末路を辿ったことをあなたは知っています。
ウィル・ホーソン
「僕は、間違ったことは、しません」
ウィル・ホーソン
「救世主はすべて……打ち倒すべき、悪で」
GM
ウィル・ホーソン。あなたは神の名の下の槍。
心など必要なく、その御手であればよいのです。
ウィル・ホーソン
「貴女と出会って、おかしくなってしまった!」
ウィル・ホーソン
「一人のこして行くというのですか、貴女は!」
ウィル・ホーソン
「指先が……僕に触れる、たびに……」
ウィル・ホーソン
「貴女が僕を好きだと言うたびに」
ウィル・ホーソン
そのままシーツの海に押し付ける。
ウィル・ホーソン
「じゃあ、何を捧げてもいいの?」
ウィル・ホーソン
「そんな悲しいことは、言わないで」
ウィル・ホーソン
*ミュールの『冷めたスープ』を舐めます
ウィル・ホーソン
2d6+3=>7 判定(+猟奇)
(2D6+3>=7) > 4[2,2]+3 > 7 > 成功
ウィル・ホーソン
修道女のような格好だと思っていた。
ウィル・ホーソン
よくお似合いです、と褒めたこともあった。
ウィル・ホーソン
唇が離れる。
「他の誰にでも、こうやって股を開いているんだろう」
ウィル・ホーソン
「たまたま僕がいたから、僕で良かったんだろう」
ミュール
「それでしか、自分の価値を確かめられない私も」
ウィル・ホーソン
「少し優しくしただけで、絆されて」
ウィル・ホーソン
「挙げ句の果てに王子様だなんて」
ウィル・ホーソン
「もしかしたら、なにか、奇跡が起きて」
ウィル・ホーソン
愛する女と体を重ね合わせること。
ミュール
体温が、溶けあうように同じ温度になっていく。
[ ミュール ] 冷めたスープ : 0 → 1
[ ウィル・ホーソン ] ミュール : 0 → 1
GM
ときおり荒野を吹き抜けてぶつかってくる風と、それに小屋が揺すぶられる音。互いの衣擦れ、足音、息遣い。何から何までうるさく、そして静か。
GM
端から端までが間違っていて、正しい。
どこからどこまでもが整っていて、傷ついている。
生きながらに息絶える。
死にながらに生き返る。
この世界にはあなたしかなく、この世界にはすべてがある。
GM
男と女。
魔女と天使。
喜びと苦しみ。
赤と青。
白と黒。