GM
*クエスト効果により、みんな一つだけ技能を変更してもいいです。
ウエノ
調律→回復
レーラ
*変更なし。
クロウ
*変更なし
GM
*仕込みの効果により 日刻みの時計 枯れた花輪
GM
*先制値の決定
ブラッドスクーパー
*日刻みの時計使用
レーラ
*日刻みの時計を使用
ブラッドスクーパー
1d6+3+2 (1D6+3+2) > 5[5]+3+2 > 10
レーラ
1d6+3+2 (1D6+3+2) > 1[1]+3+2 > 6
クロウ
1d6 (1D6) > 6
ウエノ
1d6 (1D6) > 5
クロウ
1d6 (1D6) > 6
レーラ
1d6+3+2 (1D6+3+2) > 6[6]+3+2 > 11
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド1
ブラッドスクーパー
*c3 h5 h6 cJ cQ Joker!
レーラ
*d3 d4 d9 d10 dA
ブラッドスクーパー
*レーラは切り札を完成
クロウ
*c2 h3 h7 c9 cA
ウエノ
*s3 h4 c6 hQ hK
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド1 ブラッドスクーパー
ブラッドスクーパー
*c3 女王命令 クロウ レーラ
ブラッドスクーパー
*h5 精確
レーラ
*d10使用 妨害
レーラ
*d4使用 精確
レーラ
1d6 (1D6) > 1
レーラ
2d6+3+1+1+1=>7 判定(+才覚+万能+凶器+精確) (2D6+3+1+1+1>=7) > 9[6,3]+3+1+1+1 > 15 > 成功
ブラッドスクーパー
1d6 (1D6) > 5
ブラッドスクーパー
2d6+3+1+5>=15 (2D6+3+1+5>=15) > 9[6,3]+3+1+5 > 18 > 成功
ブラッドスクーパー
1d6+6 ダメージ (1D6+6) > 4[4]+6 > 10
ウエノ
*防壁 c6
ウエノ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 9[6,3]+3 > 12 > 成功
[ ウエノ ] HP : 21 → 15
ブラッドスクーパー
*Joker 百刑
ブラッドスクーパー
*3点ダメージと封印を入れます。
[ ウエノ ] HP : 15 → 13
[ ウエノ ] 封印 : 0 → 3
ブラッドスクーパー
*レーラへの女王命令を処理。
ブラッドスクーパー
*h5 精確
レーラ
*d9使用 妨害
レーラ
*d3使用 精確
レーラ
1d6 (1D6) > 5
レーラ
2d6+3+1+1+5=>7 判定(+才覚) (2D6+3+1+1+5>=7) > 6[2,4]+3+1+1+5 > 16 > 成功
ブラッドスクーパー
1d6 (1D6) > 3
ブラッドスクーパー
2d6+3+1+3>=16 (2D6+3+1+3>=16) > 4[3,1]+3+1+3 > 11 > 失敗
ブラッドスクーパー
両の手、数えて10のナイフ。
ブラッドスクーパー
巨躯はクロウとレーラを両面に相手取り引き裂く。
ウエノ
「させないッ!」
ウエノ
ピンクと水色のステッキが割り込んで、その爪を体ごとで受ける。
レーラ
青空の下、得物が奔る。けれどもそのひとつを取り逃す。
レーラ
「……ッ!」
ブラッドスクーパー
勢いを殺しきれず、刃物はウエノの体を浅く傷つけると同時に、
ブラッドスクーパー
手品のように引き裂いた数よりも多くの刃がウエノをずたずたに引き裂いている。
クロウ
「ありがとよ、ウエノ」
その目はただ亡者だけを睨み、隙を伺う。
ブラッドスクーパー
その数は10じゃきかない。
ウエノ
悲鳴。引き裂かれた箇所から血ではないなにかが噴き出す。
ブラッドスクーパー
しかしラタスがこれまで突き立ててきたナイフの数にも遠く及ばない。
ウエノ
魔法少女。体をいじくられた少女たち。
ブラッドスクーパー
この両手は殺すためにある。
レーラ
唇を噛む。
ウエノ
「ははは!」
ウエノ
いつかみたいに笑う。
ウエノ
「ラタス! 何、心まで亡者になっちゃってんですか!」
ウエノ
「なっさけないヤツですねえ!!」
ブラッドスクーパー
その言葉に返事はない。
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド1 レーラ
レーラ
飛び散る狂気に似つかわしくない、皮肉なまでの清々しい空。
レーラ
今は、自身を取り巻く黒煙もない。
レーラ
「──……」
レーラ
戦いの中で。
レーラ
孤独を感じたことはなかった。
レーラ
いつからか、それは当然のことだった。
レーラ
そしてそれは、今も、そうなのだと思う。
レーラ
そうだろう?
レーラ
二人の立ち回りを確かめながら、伸びきった帯を今一度引き寄せる。
レーラ
*パス
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド1 クロウ
クロウ
*こしょう 使用
クロウ
*c2使用 鋭気
クロウ
*c9使用 渾身 h3捨て
クロウ
*h7使用 兇刃
ウエノ
*援護
ブラッドスクーパー
*猛禽の翼 妨害
ブラッドスクーパー
2d6+3+1=>7 判定(+才覚) (2D6+3+1>=7) > 9[5,4]+3+1 > 13 > 成功
[ クロウ ] こしょう : 1 → 0
クロウ
2d6+3+2=>13 判定(+猟奇) (2D6+3+2>=13) > 5[2,3]+3+2 > 10 > 失敗
クロウ
*心の傷「仮面」抉ってを逆転します
クロウ
この2は6!
[ クロウ ] 仮面 : 1 → 0
クロウ
1d6+2+2+3+1+2+2+2+1 (武器+兇刃+鋭気+渾身+援護+衰弱+看破+発狂) (1D6+2+2+3+1+2+2+2+1) > 6[6]+2+2+3+1+2+2+2+1 > 21
[ ブラッドスクーパー ] HP : 53 → 32
ブラッドスクーパー
*茶々入れ 報復
ブラッドスクーパー
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 4[1,3]+3 > 7 > 成功
ブラッドスクーパー
1d6+6 (1D6+6) > 6[6]+6 > 12
ウエノ
*防壁 s3
ウエノ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 10[4,6]+3 > 13 > 成功
ウエノ
*心の疵 魔法少女 を抉って4を6にします
[ ウエノ ] 魔法少女 : 0 → -1
ブラッドスクーパー
*スペシャル! 即座にPCのHPを1D6点回復します。
ウエノ
1d6 (1D6) > 2
[ ウエノ ] HP : 13 → 15
クロウ
*援護 ダメージ軽減
[ ウエノ ] HP : 15 → 9
クロウ
今。
クロウ
目の前にいるのは、ただの亡者だ。
クロウ
だからもう、目を瞑ることはない。
クロウ
ただ殺すための一撃を、放てばいい。
クロウ
クロウの腕から、背中から、黒い翼が広がる。
ブラッドスクーパー
ブラッドスクーパーの体から、黒い煙が広がる。
クロウ
"あいつ"の黒煙だったなら、攻撃を躊躇っただろう。
ウエノ
「クロウ」
ブラッドスクーパー
黒い体は黒い煙に溶け込んで輪郭を偽る。
ウエノ
注射器を叩き割る。
ウエノ
甘い夢。心に作用する薬の香り。
ウエノ
「やっちゃってください!」
クロウ
「ああ」
クロウ
黒い鴉が肉体の限界を超えて加速する。
クロウ
黒煙の中に入ったと同時に、ズン…と地響きのような音が響いて黒煙が霧散する。
クロウ
そこには亡者に腕を突き立てるクロウの姿。
ブラッドスクーパー
表情のないブラッドスクーパーにも、その重たい一撃には動揺したようにみえる。
クロウ
そのまま、亡者の中身を千切り、引きずり出す。
ブラッドスクーパー
引きずり出した部分が千切れて、霧散する。
ブラッドスクーパー
体の輪郭が大きく欠いたまま――
ブラッドスクーパー
鋭く宙をしなる赤い尾!
レーラ
ここからは――届かない。
ウエノ
尾を遮る大量の絆創膏。
ブラッドスクーパー
絆創膏を薙ぎ払い、しかしクロウめがけて放られた一撃はウエノへ流れる。
クロウ
「…ちっ」
ウエノ
絆創膏の壁が勢いを散らし、注射器がいくつも割れて脳につんとくる香りが立ち込める。
クロウ
無茶な体勢から、その尾に向かって蹴りを放つ。
ブラッドスクーパー
確かに勢いは削がれるものの、総じて無視できないダメージをウエノは被る。
ウエノ
やけになめらかな地面を転がり滑る。
ウエノ
「げほっ! はあっ……!!」
ブラッドスクーパー
半身をもがれたに等しいブラッドスクーパーは、しかし再び元通りの輪郭で立っている。
ウエノ
ステッキをたよりに立ち上がろうとする。
クロウ
それでも、亡者から目をそらすことはしない。
今この場で、こいつにでかい一撃を与えられるのは自分しかいない。
ブラッドスクーパー
ラタスは終ぞ最後の瞬間まで、その姿を解れさせたりはしなかったように。
ウエノ
両翼の翼が。
ウエノ
その片方が、千切れている。
レーラ
「ウエノ、無理はしないで」
レーラ
その全てを、見ていることしかできない。
ウエノ
「はい。でも……」
ウエノ
立ち上がる。
クロウ
「俺も一発や二発なら耐えられる」
ウエノ
「ここで無理をするのがあたしの仕事です」
ウエノ
「でも、頼ってます」
ウエノ
「信じてます。……ラタスだって」
ウエノ
「あたしは信じていますよ」
GM
*裁判 ラウンド1 ウエノ
ウエノ
*パス
GM
*裁判 ラウンド1 終了
レーラ
*捨てなし。
クロウ
*捨てなし
ブラッドスクーパー
*cJ捨て
ウエノ
*hQ hK捨て
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド2
ブラッドスクーパー
*c5 s9 cQ sK hK (sJ)
レーラ
*d6 s6 h9 hJ(dA)
クロウ
*c10 dQ sQ sA (cA)
ウエノ
* s4 h4 s7 c7 h10
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド2 ブラッドスクーパー
ブラッドスクーパー
*枯れた花輪使用
[ ウエノ ] 封印 : 3 → 2
[ ブラッドスクーパー ] 枯れた花輪 : 1 → 0
ブラッドスクーパー
*s9 かんしゃく
ブラッドスクーパー
ブラッドスクーパーを引き裂いて飛び散った黒い煙が、風に流れず足元に溜まっている。
ブラッドスクーパー
光の届かぬ泥濘を模するように。
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド2 レーラ
レーラ
*パス
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド2 クロウ
クロウ
*c10使用 渾身 cA捨て
クロウ
*dQ使用 刹那
クロウ
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 8[5,3]+3 > 11 > 成功
クロウ
1d6+2+1+2+2+1 (武器+渾身+衰弱+看破+発狂) (1D6+2+1+2+2+1) > 4[4]+2+1+2+2+1 > 12
[ ブラッドスクーパー ] HP : 32 → 20
ブラッドスクーパー
*第二ボタンあったなーと気づいたのでここから適応します
[ ブラッドスクーパー ] HP : 20 → 21
クロウ
クロウの姿が、亡者の目の前から消える。
クロウ
同時に、カラスが亡者の視界を奪っていく。
クロウ
「がら空きだ」
クロウ
亡者の真下から、声と衝撃が響く。
ブラッドスクーパー
ブラッドスクーパーは対応できない。衝撃を受けてクロウに気づく。
ブラッドスクーパー
黒い体はちぎれ飛び、解れた輪郭は再び元通り。
ブラッドスクーパー
それでも確実に相手を消耗させているのがわかるだろう。
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド2 ウエノ
ウエノ
「ラタス、聞こえますか?」
ブラッドスクーパー
その言葉に返事はない。
ブラッドスクーパー
首を小刻みに動かしているのは、どのように攻めるべきかを常に伺っているから。
ブラッドスクーパー
尾が時折地面を這うように揺れるのは、敵に対する牽制。
ウエノ
「言いたいことがあるなら、ちゃんと言っておいたほうがいいですよ」
ブラッドスクーパー
大きな耳は暗闇の底にあっても姿を捉え、仕留めるためのもの。
ブラッドスクーパー
殺すべき相手の心拍と呼気、動きを聞き分けるばかりで、言葉を聞くためのものではない。
ウエノ
足元はふらつき、体じゅう傷だらけ。
ウエノ
相手はラタスではなく、どう見たって亡者。
ウエノ
「亡者になってから少しは意識があるって、言ってたのはあなたなんですからね」
ウエノ
「全くもう!」
ウエノ
「あんたはどうしようもないやつですよ!」
ブラッドスクーパー
ラタスはよく嘘をついた。
ブラッドスクーパー
果たしてそれが嘘だったのか、噂を本当に信じていたのかはもうわからない。
ウエノ
「……本当にこれでいいんですか!」
ウエノ
「いいなら返事くらいしろっての!!」
ウエノ
*パス
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド2 終了
レーラ
*d6 s6 捨て
クロウ
*捨てなし
ブラッドスクーパー
*sK dK cQ捨て
ウエノ
*h4 k7 捨て
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド3
ブラッドスクーパー
*h2 c4 c5 hA(d5 sJ)
レーラ
*s2 d7(h9 hJ dA)
クロウ
*s5 c8 cK (sQ sA)
ウエノ
*s4 s7 s8 h10 dJ
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド3 ブラッドスクーパー
[ ウエノ ] 封印 : 2 → 1
ブラッドスクーパー
*h2 女王命令 クロウ レーラ
ブラッドスクーパー
*c5 精確
レーラ
*h9使用 妨害
レーラ
*s2使用 精確
レーラ
1d6 (1D6) > 1
レーラ
2d6+3+1+1+1=>7 判定(+才覚) (2D6+3+1+1+1>=7) > 7[2,5]+3+1+1+1 > 13 > 成功
ブラッドスクーパー
1d6 (1D6) > 6
ブラッドスクーパー
2d6+3+1+6=>13 判定(+才覚) (2D6+3+1+6>=13) > 9[4,5]+3+1+6 > 19 > 成功
ブラッドスクーパー
1d6+6 (1D6+6) > 6[6]+6 > 12
ウエノ
*防壁 s4
ブラッドスクーパー
*猛禽の翼 妨害
レーラ
*hJ使用 妨害
ブラッドスクーパー
*d5 精確
ブラッドスクーパー
1d6 (1D6) > 1
レーラ
2d6+3+1+1=>7 判定(+才覚) (2D6+3+1+1>=7) > 5[4,1]+3+1+1 > 10 > 成功
ブラッドスクーパー
2d6+3+1+1=>10 判定(+才覚) (2D6+3+1+1>=10) > 9[5,4]+3+1+1 > 14 > 成功
クロウ
*援護します
ウエノ
2d6+3+2=>14 判定(+愛) (2D6+3+2>=14) > 6[1,5]+3+2 > 11 > 失敗
ウエノ
*甘い夢を抉って1を6に
[ ウエノ ] 甘い夢 : 1 → 0
[ ウエノ ] HP : 9 → 1
ブラッドスクーパー
*hA 百刑
ブラッドスクーパー
*2点と封印。
[ ウエノ ] HP : 1 → 0
ウエノ
*愛毒 s8 女王命令に対して
[ ブラッドスクーパー ] 猛毒 : 0 → 3
ウエノ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 7[3,4]+3 > 10 > 成功
ブラッドスクーパー
*ウエノのHP0! 判決表を!
ウエノ
2d6+2-0+1 判決表(+第2ボタン) (2D6+2-0+1) > 8[6,2]+2-0+1 > 11
ブラッドスクーパー
*9~11:HPを1点回復して立ち上がる。
[ ウエノ ] HP : 0 → 1
[ ウエノ ] 封印 : 1 → 3
[ ウエノ ] 前科 : 0 → 1
ブラッドスクーパー
*レーラに対しての女王命令
ブラッドスクーパー
2d6+3+1=>7 判定(+才覚) (2D6+3+1>=7) > 5[4,1]+3+1 > 9 > 成功
ブラッドスクーパー
1d6+6 (1D6+6) > 3[3]+6 > 9
[ レーラ ] HP : 19 → 10
[ レーラ ] HP : 10 → 7
ブラッドスクーパー
輪郭を偽りながら、そのナイフの鋭さ、攻撃の呼吸はラタスとまるで変わらない。
ブラッドスクーパー
黒煙がすべてを包み込み、一切は暗闇。
ブラッドスクーパー
暗闇のなかで10のナイフが狙うのは、クロウ。
ウエノ
「ラタス!」
ウエノ
「あたしの声が、聞こえているんでしょう!!」
ウエノ
ひびの入ったステッキ。
ウエノ
魔法少女なんてとても言えないかも。
ウエノ
これじゃあコスプレした、頭のおかしい子だね。
ウエノ
ナイフの一つ一つを、夢と希望が縫い留める。
ウエノ
しかしそれもその場しのぎ。
ブラッドスクーパー
むしろそれはウエノがどこに立っているのかを知らしめたに過ぎない。
ブラッドスクーパー
亡者に心はなく、夢はなく、希望も絶望もありはしない。
ブラッドスクーパー
ただ殺すための存在として、ウエノを捉えてはずたずたに引き裂いた。
レーラ
――間に合わない。
ウエノ
こんどは悲鳴もなかった。
レーラ
こんなものでは、誰かを守ることはできない。
レーラ
できるのは、亡者の腕に縋ることだけ。
ブラッドスクーパー
暗闇の中、骨が折れるおと、肉が裂ける音、血が飛び散り、地面を濡らす音ばかりが響く。
ウエノ
ひとつめのナイフは腹を刺し。
ウエノ
ふたつめのナイフは腕を折り。
ウエノ
みっつめのナイフは、よっつめのナイフは。
ウエノ
ナイフは、ナイフは、ナイフは。
ブラッドスクーパー
この手は殺すためだけの手。
ウエノ
汚いうめき声が漏れる。
ブラッドスクーパー
そしてナイフは、あなたの命に触れる。
ウエノ
血に染まった絆創膏。きらきらきらめくストロベリーソース。
ウエノ
ひらめくそれを、何度だって捕まえて。
ウエノ
立ち上がる!
クロウ
後方から音が鳴る。それは決して人から鳴ってはいけないような、そんな音。
ウエノ
折れた腕には注射器が刺さっている。
クロウ
けれど振り向くこともしなければ、心配する声をあげることもない。
ウエノ
それを吐き捨てるように抜きとって捨てた。
クロウ
声をかけるのも、心配するのも、裁判が終わってからだ。
クロウ
そうでなければ、みんなここで死ぬ。
ブラッドスクーパー
しかし聞き取るべきなのは、ウエノが引き裂かれ喘ぐ音ではない。
ブラッドスクーパー
すがりつくレーラを赤い手が撫ぜる。
レーラ
身を守る術は、もう無い。
ブラッドスクーパー
ナイフで深々と内臓を抉る時の肉薄と、親密な相手を抱き返すときの違いは。
ブラッドスクーパー
赤く汚れたナイフで撫ぜることと、白く柔らかい手で撫でることの違いは。
レーラ
肉が深く切り裂かれる感覚。
ブラッドスクーパー
貪るようにレーラに傷をつける。
レーラ
それでいい。そうであることを選んだから。
ウエノ
「つれて行かないで……」
レーラ
凶刃を甘んじて受け入れる。
ウエノ
聞こえてるんでしょう、ラタス。
ウエノ
聞こえるなら返事をして。
ブラッドスクーパー
ひひひ、と笑い返すはない。
ブラッドスクーパー
そして煙幕が引けば、惨劇だけが残される。
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド3 レーラ
レーラ
ぼたぼたと血が零れて、赤に染まらない場所を探す方が難しい。
レーラ
傷痕じゃないものを探す方が難しい。
レーラ
三つと、無数の傷跡。
レーラ
「……」
レーラ
「ラタス……」
レーラ
それは、うわごとのように。
レーラ
*パス
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド3 クロウ
クロウ
*c8使用 渾身 s5捨て
クロウ
*sQ使用 刹那
クロウ
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 11[5,6]+3 > 14 > 成功
クロウ
1d6+2+1+2+1 (武器+渾身+看破+発狂) (1D6+2+1+2+1) > 3[3]+2+1+2+1 > 9
[ ブラッドスクーパー ] HP : 21 → 13
クロウ
黒煙が引いたと同時に、クロウは動き出していた。
クロウ
もう一撃、亡者に黒い一閃が飛ぶ。
クロウ
まだだ、まだこの亡者は倒れない。目を離すな。
ブラッドスクーパー
クロウの一撃を負いきれず、直撃する。
ブラッドスクーパー
腕の一本が引きちぎれ、5本のナイフがばらばらと地面に落ちる。
ブラッドスクーパー
しかし手品のように、新たな5本が産まれてはその体に腕としてつながる。
ブラッドスクーパー
ブラッドスクーパーはクロウをじっと見る。
クロウ
目は背けない。ただ睨み合う。
ブラッドスクーパー
殺意をぶつけ合うだけの純粋な闘争。
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド3 ウエノ
ブラッドスクーパー
*猛毒の処理してなかったのでいまするぞ
[ ブラッドスクーパー ] HP : 13 → 7
[ ブラッドスクーパー ] 猛毒 : 3 → 2
ウエノ
「あたしは嫌です」
ウエノ
「ラタスは嫌じゃないんですか?」
ウエノ
「あたしは……」
ウエノ
前がよく見えない。頭のてっぺんが蒸発しているような感じ。
ウエノ
魔法の悪い使い方。でも、どうせその場しのぎなら、きっかけには充分だ。
ウエノ
「あたしはこんなキレイな終わり方、嫌ですよ」
ウエノ
「生きてることは夢でも希望でも、なにかのおとぎ話でも、ない」
ウエノ
「あなたに翼が生えなかったみたいに」
ウエノ
「これだけ手を汚して、それを綺麗事で終わらせるつもりですか」
ウエノ
「あたしは歓迎しない」
ブラッドスクーパー
『じゃあ止めてみろ』
ウエノ
注射器を手に取る。
ブラッドスクーパー
それは魔法が効いているあなただけに聞こえる言葉。
ウエノ
返事じゃない。
ウエノ
これは幻聴。
ウエノ
そんな都合のいいことなんて、ないんだから。
ウエノ
肩に思い切り突き刺す。
ウエノ
思考がいまだけ、クリアになっていく。
ウエノ
「あたしは許しませんよ」
ウエノ
「こんな結末、願い下げなんですからね!!」
ウエノ
*パス
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド3 終了
クロウ
*捨てなし
ウエノ
*dJ捨て
レーラ
*d7 dA捨て
ブラッドスクーパー
*c4捨て
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド4
ブラッドスクーパー
*d2 c5 d8 s10 h8 (sJ)
レーラ
*d6 h7 d7 c10 h9
ウエノ
*s2 s7 d9 h10 sk
クロウ
*h5 sQ dA (sQ dA)
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド4 ブラッドスクーパー
ブラッドスクーパー
*d2 女王命令 ウエノ レーラ
ブラッドスクーパー
*精確なし
レーラ
*c10使用 妨害
クロウ
*cK使用 遊撃
レーラ
2d6+3+1+1=>7 判定(+才覚) (2D6+3+1+1>=7) > 11[5,6]+3+1+1 > 16 > 成功
クロウ
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 5[3,2]+3 > 8 > 成功
クロウ
1d6 (1D6) > 1
[ ブラッドスクーパー ] HP : 7 → 2
クロウ
ダメージは看破発狂乗って6
ブラッドスクーパー
*茶々入れ 報復
ブラッドスクーパー
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 11[6,5]+3 > 14 > 成功
ブラッドスクーパー
1d6+6 (1D6+6) > 4[4]+6 > 10
[ クロウ ] HP : 22 → 12
[ クロウ ] HP : 12 → 10
ブラッドスクーパー
2d6+3+1-1=>16 判定(+才覚) (2D6+3+1-1>=16) > 8[6,2]+3+1-1 > 11 > 失敗
ブラッドスクーパー
*レーラの処理に入ります
ブラッドスクーパー
*精確
レーラ
*h9使用 妨害
ブラッドスクーパー
*猛禽の翼 妨害
ブラッドスクーパー
2d6+3+1=>7 判定(+才覚) (2D6+3+1>=7) > 7[6,1]+3+1 > 11 > 成功
レーラ
2d6+3+1+1=>11 判定(+才覚) (2D6+3+1+1>=11) > 8[5,3]+3+1+1 > 13 > 成功
ブラッドスクーパー
1d6 (1D6) > 6
ブラッドスクーパー
2d6+3+1+6=>13 判定(+才覚) (2D6+3+1+6>=13) > 3[2,1]+3+1+6 > 13 > 成功
ブラッドスクーパー
1d6+6 (1D6+6) > 1[1]+6 > 7
ウエノ
*防壁 s2
ウエノ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 8[4,4]+3 > 11 > 成功
ブラッドスクーパー
*ウエノのHP0! 判決表を!
ウエノ
2d6+2-1+1 判決表(+第2ボタン) (2D6+2-1+1) > 3[1,2]+2-1+1 > 5
ブラッドスクーパー
*3~5:〈昏倒〉する。
[ ブラッドスクーパー ] HP : 2 → 0
ブラッドスクーパー
2d6+2-0+1 判決表 (2D6+2-0+1) > 10[4,6]+2-0+1 > 13
ブラッドスクーパー
*12~:無罪!HPが0となる際に受けた不利な効果を無効とし、HPは0になる前の値に戻す。前科は増える。
[ ブラッドスクーパー ] HP : 0 → 2
[ ブラッドスクーパー ] 前科 : 0 → 1
[ ウエノ ] HP : 1 → 0
ブラッドスクーパー
クロウを睨んだまま煙幕を再び展開し……
ブラッドスクーパー
しかしその刃が襲うのはウエノ。
ブラッドスクーパー
死の気配を嗅ぎ取って、貪欲に命を摘み取ろうとする。
レーラ
黒血の帯が飛沫を上げ、走り、刃を捕まえる。
クロウ
「なんだよ、つれないなぁ…寂しいじゃねえか」
クロウ
言葉ではそう言うが、そこには殺意がこもっている。
ウエノ
体を縮こませて、自分をかばう。
レーラ
それは心の疵。思い切り、引き倒さんばかりの力。
ブラッドスクーパー
クロウの殺意に感応し、尾が弾丸のように動く。
クロウ
亡者の大きな耳に掴みかかり、そのまま腕を亡者のゴーグルの奥底に突っ込む。
ブラッドスクーパー
クロウの肩口を尾が貫く。
クロウ
「………っ!」
ブラッドスクーパー
青空の映るゴーグルがぐしゃぐしゃに割れ、中から黒い煙が漏れ出す。
ブラッドスクーパー
クロウの動きに対処を追われ、レーラの包帯を解けない。
ブラッドスクーパー
絆されるままに横倒しになり、ウエノの血を掬う手は届かない。
ウエノ
うすく目を開く。
クロウ
クロウは尾が肩に突き刺さったまま振り回され、そのまま地面に叩きつけられる。
ブラッドスクーパー
しかし――レーラとブラッドスクーパーは黒い包帯で今、結びついている。
ブラッドスクーパー
その膂力でぐいとレーラを手繰り寄せる。
ウエノ
助かった、と思うひまもない。
ウエノ
繋がる包帯を認めて、
ウエノ
考えるよりも先に、体が動いていた。
ブラッドスクーパー
レーラの体めがけて、10のナイフを振り下ろす。
ウエノ
足が動かないなら一本。
ウエノ
腕が折れてるなら二本。
ウエノ
舌がもつれるなら三本目。
レーラ
瞬間宙に囚われ、地に足がつかない。
ウエノ
「──連れて、」
ウエノ
「行かないで!!」
ウエノ
聞こえてるんでしょう、ラタス!
レーラ
けれどその最中で、確かに。
レーラ
ウエノの姿が見えた。
ウエノ
五本目六本目七本目。
ブラッドスクーパー
そして赤く汚れた手は、肉に深々と突き刺さった。
ウエノ
やっつめここのつそしてとお。
ウエノ
届いた。
レーラ
「ウエノ、」
ウエノ
声は届かずとも。
ウエノ
あたし自身が。
ウエノ
「っ……はは、あは……」
ブラッドスクーパー
御伽噺ではないのなら、都合よく言葉が届くこともなく。
ウエノ
「あんたの思い通りになんて、させて、やらない……」
ブラッドスクーパー
血に塗れたその身だけが現実。
レーラ
「ウエノ」
ウエノ
あたしはひとりじゃない。
ブラッドスクーパー
救済なんてありはしない。
ウエノ
あとは任せましたよ。
ブラッドスクーパー
ナイフが振り抜かれる。
ウエノ
「生きて、レーラ」
ウエノ
言葉はそれでさいご。
レーラ
どうして。
レーラ
そんな、答えの分かり切った言葉を唇が描く。
ブラッドスクーパー
ブラッドスクーパーの胸の十字架が揺れる。
ブラッドスクーパー
ラタスの持ち合わせた、黒く塗り込まれていない唯一の十字架が。
ブラッドスクーパー
倒れたウエノに亡者は一瞥もくれない。
クロウ
その瞬間、今まで何の反応も示さなかったクロウの動きが止まる。
クロウ
夢の欠片が、胸の奥に小さな傷をつける。
ブラッドスクーパー
ただ、ブラッドスクーパーはわずかによろめいた。
クロウ
胸が。心臓が。ズキズキと。痛む。
クロウ
「ああ、くそ…」
クロウ
「お前のせいだぞ、ウエノ…」
ブラッドスクーパー
ウエノの残したものがブラッドスクーパーに毒として及び、ほころびが見え始める。
ウエノ
絆創膏が風に舞い踊り消えていく。
ウエノ
もはや誰にも貼られることはない。
ブラッドスクーパー
黒煙はブラッドスクーパーの体を再構成することはなく、傷ついた体で二人を見ている。
ブラッドスクーパー
*裁判 ラウンド4 レーラ
レーラ
*地割
[ ブラッドスクーパー ] HP : 2 → 0
ブラッドスクーパー
*ブラッドスクーパーのHP0! 判決表!
ブラッドスクーパー
2d6+2-1+1 判決表 (2D6+2-1+1) > 5[4,1]+2-1+1 > 7
ブラッドスクーパー
*6~8:ランダムな能力値で判定し、成功すればHPを1点回復して立ち上がる。失敗すれば〈昏倒〉する。
ブラッドスクーパー
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
ブラッドスクーパー
2d6+3+1=>7 判定(+猟奇) (2D6+3+1>=7) > 6[3,3]+3+1 > 10 > 成功
[ ブラッドスクーパー ] HP : 0 → 1
レーラ
*地割 2回目
[ ブラッドスクーパー ] HP : 1 → 0
[ ブラッドスクーパー ] 前科 : 1 → 2
ブラッドスクーパー
*ブラッドスクーパーのHP0! 判決表!
ブラッドスクーパー
2d6+2-2+1 判決表 (2D6+2-2+1) > 11[5,6]+2-2+1 > 12
ブラッドスクーパー
*12~:無罪!HPが0となる際に受けた不利な効果を無効とし、HPは0になる前の値に戻す。前科は増える。
[ ブラッドスクーパー ] HP : 0 → 1
[ ブラッドスクーパー ] 前科 : 2 → 3
レーラ
*d6使用 霞斬
レーラ
2d6+3-2+1+1=>7 判定(+才覚) (2D6+3-2+1+1>=7) > 5[1,4]+3-2+1+1 > 8 > 成功
[ ブラッドスクーパー ] HP : 1 → 0
ブラッドスクーパー
*ブラッドスクーパーのHP0! 判決表!
ブラッドスクーパー
2d6+2-3+1 判決表 (2D6+2-3+1) > 9[3,6]+2-3+1 > 9
ブラッドスクーパー
*9~11:HPを1点回復して立ち上がる。
[ ブラッドスクーパー ] HP : 0 → 1
[ ブラッドスクーパー ] 前科 : 3 → 4
レーラ
2d6+3+2+1+1=>7 判定(+才覚) (2D6+3+2+1+1>=7) > 5[1,4]+3+2+1+1 > 12 > 成功
レーラ
1d6 (1D6) > 5
[ ブラッドスクーパー ] HP : 1 → 0
ブラッドスクーパー
*ブラッドスクーパーのHP0! 判決表!
ブラッドスクーパー
2d6+2-4+1 判決表 (2D6+2-4+1) > 6[4,2]+2-4+1 > 5
ブラッドスクーパー
*3~5:〈昏倒〉する。
レーラ
血に塗れて、地に塗れて。
レーラ
伏したウエノを見る。
レーラ
瞬間立ち竦むクロウを見る。
レーラ
どうして、こうなってしまったのだろう。
レーラ
そう思わずにはいられなかった。
ブラッドスクーパー
『おれは今でもお前らが愛想つかしてどっか行ってくれてもいいと思っている』
レーラ
痛みが世界を遠いものにする。
ブラッドスクーパー
その言葉はまるで予言だった。
ブラッドスクーパー
こうなることを予期していたかのように。
レーラ
ラタスの言う通りだったのかもしれない。
レーラ
その方が良かったのかもしれない。
レーラ
「……」
レーラ
それは、誰にとって?
レーラ
揺らいだ身体を幽鬼のように起こす。
ブラッドスクーパー
ブラッドスクーパーは離れたところで、次の攻撃の機会を狙っている。
レーラ
なにも――
レーラ
――なにもが、良くはない。
ブラッドスクーパー
すでに学習している。いや、知っている。最も攻撃を警戒すべきはクロウだと。
レーラ
そんなことは、はじめから分かっていた。
レーラ
何もかもが理不尽な世界だってことは、分かっていた。
レーラ
足下から、血溜まりが広がる。
レーラ
心の疵が、地を這う。
ブラッドスクーパー
黒く染まった血は、煙幕にまぎれて目視することは難しい。
レーラ
赤く、どこまでも黒い。
ブラッドスクーパー
ラタスとレーラ、ふたりはそのように連携していた。
ブラッドスクーパー
もちろんブラッドスクーパーもそれを知っている。黒く染め上げられた『包帯』のことは。
ブラッドスクーパー
地を這う血液には気づかない。
レーラ
「――……」
レーラ
細く、小さな呼吸の音。
レーラ
「――“私にはわからない、」
レーラ
「どうしてこんなに悲しいのか”――」
レーラ
それは、素朴な旋律。
レーラ
いつか、ローラに教わった唄。
レーラ
もういない人の唄。
レーラ
魔性の、狂った女が為の唄。
レーラ
ローレライの歌声に惹かれた船頭は――
レーラ
――どうなった?
レーラ
亡者の袂に到達した血液が、確かにその足を捕らえる。
ブラッドスクーパー
絡め取られる。
レーラ
それは絆し。
ブラッドスクーパー
はじめは全く不意を点かれて、飛び上がるように。
レーラ
それは劇薬。
ブラッドスクーパー
しかし、しかと捕らえられて地へ結ばれている。
レーラ
その隙を逃さない。
ブラッドスクーパー
毒がブラッドスクーパーを蝕み、亡者と言えどもその体を焼く。
レーラ
逃してはならないと。いつか。
レーラ
あなたがそう言った。
レーラ
その首に巻き付いて。腕に。脚に。胴に。
ブラッドスクーパー
触れるさきにその身を焼き尽くす、魔女の毒。
ブラッドスクーパー
魔法はなく、救済はなく、空には届かず、ただ泥濘に踊ることが現実だと知らしめるように。
ブラッドスクーパー
黒い血溜まりのなかでただもがく。
レーラ
侵した生き物を、きつく縛って、切り裂く。
レーラ
10に及ばぬ数が、けれど無数の傷を作る。
ブラッドスクーパー
霞斬は息の根を止めるための技。
ブラッドスクーパー
形は違えど、血を流し、運命の追いついた標的を、レーラとラタスはその技芸で刻んできた。
ブラッドスクーパー
一度目は浅くその命に及び、
ブラッドスクーパー
二度目は深く。
レーラ
命の真ん中を抉る。
ブラッドスクーパー
そしてブラッドスクーパーは動かなくなる。
ブラッドスクーパー
ただその巨体を横たえる。
ブラッドスクーパー
戦場の狂騒は風に巻かれて去り、
ブラッドスクーパー
今は逆巻く風の中心で、
ブラッドスクーパー
深い沈黙だけがある。
GM
――裁判閉廷。
レーラ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
レーラ
2d6+3=>7 判定(+才覚) (2D6+3>=7) > 10[4,6]+3 > 13 > 成功
レーラ
裁判は終わり。
レーラ
血の池を進む足取りが、亡者の下へ辿り着く。
レーラ
「――…………」
レーラ
囁くような歌声が、静寂を伝う。
GM
その歌声を聴くのは己を含めて二人だけ。
クロウ
「………」
その様子に、何か声をかけることもない。
クロウ
立ち上がり、クロウはウエノの倒れている場所へと向かう。
レーラ
穢れの中に斃れた怪物を見下ろす。
ブラッドスクーパー
傷付き、焼け爛れ、わずかに身じろぎすることもなく倒れている。
ブラッドスクーパー
元より仮面の顔。表情も視線も伺えない。
ウエノ
倒れたウエノの赤いマフラーが、風に引きずられてなびく。
クロウ
ウエノの傍らに腰を下ろし、顔を覗き込む。
クロウ
まだ息はあるようだ。それを確認して、クロウはウエノの肩を軽く叩く。
レーラ
成り果てた亡者は、最早ラタスではない。
ウエノ
「――う」
ウエノ
まだ刺さったままの注射器のいくつかが揺れる。
クロウ
「…終わったぞ」
そうウエノに告げながら、刺さったままの注射器を抜いていく。
ウエノ
「うえっ、げ……っ」
レーラ
血だまりの、そのもとに跪いても、新たに染まる部分はもうない。
ウエノ
空えづきをして、薄く目を開いた。
ウエノ
「……レーラ」
ブラッドスクーパー
ラタスを思わせるものはマスクと十字架だけ。
ウエノ
「レーラはどこですか」
レーラ
「――“遠い昔の物語が”、」
レーラ
歌声。
レーラ
「“心から離れない”……」
ウエノ
歌声が聞こえる。
クロウ
「…掴まれ」
そう言いながら、ウエノの体を起こそうとする。
ウエノ
指が震えすぎて、うまく掴むことができない。
レーラ
一片も白を残さない指で、面影をなぞる。
ブラッドスクーパー
硬い針のような被毛。油っぽく、そして黒い煤にまみれている。
クロウ
少し強引にウエノの体を抱えて立ち上がる。
ウエノが落ちないように、この前よりもしっかりと支えている。
ウエノ
「レーラが歌っているんですか」
ブラッドスクーパー
そして何より血と毒。
クロウ
「ああ」
一言だけ返し、レーラの元にウエノを抱えて連れていく。
レーラ
どれだけ重ねても、黒は黒。
ウエノ
自分を支える手。 クロウがここにいてくれてよかった。
ウエノ
クロウは亡者にならない。 今はまだ。
ブラッドスクーパー
どこまでも黒い。一切の光が届かぬ闇には、色というものがもとより存在しないかのように。
ウエノ
倒れた亡者。歌うレーラ。
レーラ
青空の下。掃きだめのような足元だけを見つめている。
クロウ
「レーラ」
ただ名前を呼ぶ。
ウエノ
このまま、
ブラッドスクーパー
青い窓を見上げるように仰向けで倒れている。
ウエノ
二人だけにしてあげたほうが、
ウエノ
……
レーラ
“風は冷たく、辺りは暗い”。
レーラ
非常にゆっくりとした所作で、血に塗れた頭をもたげる。
レーラ
クロウの足元を見ている。
レーラ
「……」
レーラ
旋律が止まる。
クロウ
「俺から言えることは、まあ…そんなにねえ」
クロウ
「これからお前がどうしようと、それはお前の選択だ。俺は特に何も言わねえ」
クロウ
「ただまあ…、ちょっとこいつの話を聞いてやってくれ」
そう言って、抱えているウエノを軽く持ち上げる。
ウエノ
「た、たて」
ウエノ
「たてます」
クロウ
「おう、わかった」
言われた通りに、その場に下ろす。
ウエノ
いつものクロウだったら、たぶん抱えたままでいただろう。
ウエノ
「ありがとう」
クロウ
「………」
ウエノ
舌をもつれさせながら言う。
ウエノ
そして、どうにか向き直る。
ウエノ
「レーラ、」
ウエノ
しばしの間、風が吹き抜ける。
ウエノ
話。
レーラ
億劫そうに、微かに眼差しが向く気配がある。
ウエノ
頭がばちばちして、言葉が出てこない。
ウエノ
レーラ、苦しそう。
ウエノ
辛いだろう。辛くないわけがない。
ウエノ
痛いだろう。痛くないわけがない。
ウエノ
半分に折れてしまったステッキから、注射器がひとつ、こぼれる。
ウエノ
地面に落ちる。
ウエノ
割れていない。
ウエノ
「……」
ウエノ
これを使えば、解決するのかもしれない。
ウエノ
今耐えられないほどの、痛みや苦しみなんかから。
ウエノ
あるいはたくさんの言葉をかければ、いつか癒えたような気がするのかもしれない。
レーラ
足元はぬめった誰かの血で溢れていて、鈍い水音が鳴る。
レーラ
そちらを見る。
ウエノ
「レーラ、」
ウエノ
「……レーラ」
ウエノ
ほとんど転ぶようにして歩み寄って、
ウエノ
おなじように白いところがどこにもない手を伸ばして、
ウエノ
その華奢な体を抱き寄せる。
レーラ
抱き寄せられる。
ウエノ
ウエノの腕は、ラタスの腕ではない。
レーラ
返す言葉はなくて。
ウエノ
ウエノの体は、ラタスの体ではない。
レーラ
どこかに取り落としてしまったみたいだった。
ウエノ
背中に回される手は、最初のみっつの傷がどこにあったかも知らず、
ウエノ
それでも、強く抱きしめようとする。
ウエノ
取り落としてしまったなにかを、拾い上げようとするみたいに。
レーラ
少女の細い腕。ともすれば、事切れかけた温もり。
レーラ
それを感じている。
レーラ
誰かは一様に誰かで、同じになることはない。
レーラ
「…………」
レーラ
心配されている、ような気がした。
ウエノ
「どうしよう」
ウエノ
つぶやく。
ウエノ
「こんなに悲しいのに、こんなに」
ウエノ
「……こんなに苦しいのに」
ウエノ
「辛くて仕方ないし、なんかもう」
ウエノ
「ここで、みんなで死んだほうが、いい気がするのに」
ウエノ
「なんでだろう」
ウエノ
「なんでレーラが生きているのが、こんなにうれしいんだろう……」
ウエノ
「レーラのほうが絶対つらいし、苦しいのに」腕に力が籠もる。
ウエノ
「あたしは、なんで、いつも、いつも……」
レーラ
ほとんど動かなかった瞼が、ひとつきり。
ウエノ
「レーラ、だって、かわいい服、似合うよ」
ウエノ
「いちごだってまた食べれるよ」
ウエノ
でもそこにラタスはいない。
レーラ
それは。
レーラ
きっと叶わなくたって、
レーラ
死んでしまうおねがいごとではなくて。
レーラ
本当に欲しいものには、手が届かない。
レーラ
不合理で、理不尽な世界。
ウエノ
「レーラと洋服を買いにいけないのは、いや」
ウエノ
それは。
ウエノ
「いちごを食べられないのだって、いや」
ウエノ
叶わないなら死んでしまうおねがいごとではなくて。
ウエノ
「いちばん、いちばん、いやなのは」
ウエノ
「あたしがレーラのことを、何一つわかってあげられてないのが、いや……」
ウエノ
「レーラばっかり、あたしに優しくしてくれて」
ウエノ
「あたしは、何も返せてないし、レーラのこと、なんにもわかってない気がする」
ウエノ
「なにが、悲しいのかも」
ウエノ
「今、死んじゃいそうなくらい、つらいのも」
ウエノ
「ほんとうにわかってあげることができないのが、やだ……」
ウエノ
叶わないなら死んでしまうおねがいごとではないけれど。
ウエノ
死んでしまうほどつらいことは、いくつも、いくつもきみが癒やしてくれた。
ウエノ
それをごまかしというなら、そうかもしれないけれど。
ウエノ
でも、あたし達はそれで、半年生きてきた。
ウエノ
「なにが辛いのか、ちゃんと言葉で教えてよ」
ウエノ
「あたしが聞いたら答えてよ」
レーラ
腕の中で、言葉を聞いている。
ウエノ
「そのために……こうして残ってくれたんじゃないの?」
レーラ
ウエノが泣いている。
レーラ
……。
レーラ
なんだか、疲れてしまった。傷だらけの心のどこかで、そう思う。
レーラ
それは、踏み越えてはならないもの。
レーラ
ラタスが跨いでしまったもの。
ウエノ
「言っちゃいけないことを言ってよ」
ウエノ
「死にたいなら死にたいって言っていいよ」
ウエノ
「でも、あたしは……」
ウエノ
「あたしは、殺してあげない」
ウエノ
ぎゅっと目を瞑る。涙が落ちる。目を開く。
レーラ
あなたの腕の中で。微かに、息を吸う音。
ウエノ
「そんなことを言っても、何かが壊れるって怖がらなくていいようにしたいよ」
ウエノ
「信用されたいよ」
ウエノ
「仲間になりたい」
ウエノ
「あたしたち、お互いを信じ合ってなかった」
ウエノ
「……だから、今から、始めさせて」
ウエノ
腕の力を緩める。
ウエノ
「言っちゃいけないことを言って」
ウエノ
ひとつきりの目を、ふたつの目が見つめる。
レーラ
言っちゃいけないことを言って。
レーラ
『おれは今でも』
レーラ
『お前らが愛想つかしてどっか行ってくれてもいいと思っている』
レーラ
それで良いわけなかった。
レーラ
言ってはいけないことを、言ってほしかった。
レーラ
黄金が揺らいで、ウエノの眼差しを認める。
レーラ
「……、」
レーラ
「なんで」
レーラ
「生きてるのかな」
レーラ
飛沫ほどの、ちいさな声。
レーラ
「なんで……」
レーラ
「ラタスだけ……」
レーラ
ひとりで行かせてしまったんだろう。
レーラ
ラタスには、必要だった。
レーラ
けれどそれは、言ってはいけないことだった。
ウエノ
あたしも。
ウエノ
言ってはいけないことを、言わなければいけない。
ウエノ
「レーラが生きているのは」
ウエノ
「レーラの優しさに、……」ふかい罪の意識。
ウエノ
「あたしが付け込んだからです」
ウエノ
「でも、……でも、それだけじゃない」
ウエノ
「ラタスだってそうです」
ウエノ
「ラタスは、レーラと一緒に行きたかったと思います」
ウエノ
「一人でこんなところで、くたばりたくなんて、絶対なかったと思います」
ウエノ
「レーラと一緒がよかったと思います」
ウエノ
「でも」
ウエノ
「それと同じくらい」
ウエノ
「あたしがレーラに生きてほしい気持ちよりも、もしかしたら強く」
ウエノ
「生きて、幸せになってほしいと思っ、」
ウエノ
言葉が詰まる。
ウエノ
「……結局、想像でしかないです」
ウエノ
「わかってないくせにって言われたら、そうだと思います」
ウエノ
「でも、あたしからは、そうとしか思えないですよ」
ウエノ
「ばかな男……」
ウエノ
いつの間にか。
ウエノ
ウエノの傷から流れる液体は、赤い血に置き換わっている。
ウエノ
「だからあたしは、レーラを殺してあげない」
ウエノ
「それが、ラタスの願いだって、あたしが勝手にそう思うからです」
ウエノ
「それで……」
ウエノ
「あなたの隣で、あなたを幸せにしたい」
ウエノ
「ラタスみたいに置いていったりしない」
ウエノ
「あたしでは役不足でしょうけど。ラタスのほうが、ずっといいでしょうけど」
ウエノ
「あたしにとって、レーラだけにできることがあるみたいに」
ウエノ
「レーラにとって、あたしだけにできることを探しますから」
ウエノ
「……夢と希望に頼らないことで」
レーラ
「――……」
レーラ
「は、」
レーラ
「はは」
レーラ
掠れて、ぎこちない。
レーラ
「そうか」
レーラ
切れ切れに散らばったそれを、時間を掛けて集める。
レーラ
「……」
レーラ
あなたの言葉の一片は、憶測に過ぎない。
レーラ
けれどそれは。あなただけのものじゃない。
レーラ
「……最初は」
レーラ
それは、独り言のよう。
レーラ
「それでも……よかった」
レーラ
例えどんなに嘘吐きでも。
レーラ
「それでもよかったのに、なあ」
レーラ
何が本当で、何がそうでないか。見抜けなかったとしても。
レーラ
それでも、よかった。
レーラ
それでも、ずっと、好きだった。
レーラ
ウエノの肩に額を寄せる。
レーラ
束の間でさえ、その瞬間は長く感じる。
レーラ
「…………ひとつ」
ウエノ
ぼさぼさの緑の髪が触れる。
レーラ
「言わなきゃいけないことが、ある」
ウエノ
「はい」
レーラ
「ラタスに、代わりはない」
レーラ
「ウエノとラタスは、違う」
ウエノ
「……」
レーラ
「クロウとラタスは、違う」
クロウ
「………」
レーラ
「ラタスは、ラタスしか在り得ない」
レーラ
「でも」
レーラ
「それで良いんだよ」
レーラ
それは、絶望ではない。
ウエノ
舌がもつれる。
ウエノ
その身動ぎは、きみにも伝わる。
ウエノ
「良いんですか?」
レーラ
額で触れたままで、僅かに首を傾ぐ。
レーラ
「ウエノだから、私はウエノのことが好きだし」
レーラ
「クロウだから、私はクロウのことが好きだ」
レーラ
「だから」
レーラ
「それだけで、良い」
レーラ
あのおもかげは。
レーラ
ただひとつだけの、おもかげのままで。
GM
チャラリチャラリと、コインの流れ落ちる音。
GM
20枚の6ペンスコイン。
GM
ブラッドスクーパーの命脈が断たれた音。
GM
その身を浸した毒によって。
クロウ
黙ってその音のする方へ歩いていき、コインを拾う。
クロウ
そのコインを空の青を塞ぐようにかざして、口を開く。
クロウ
「俺らにゃ、お前が必要だ…レーラ」
クロウ
「俺らと、旅を続けようぜ」
レーラ
「……」
レーラ
未だ濡れたままの顔を持ち上げる。
レーラ
「そうだね」
レーラ
「ふたりには、私がまだまだ必要だから」
ウエノ
「はい」
ウエノ
「そうなんです」
ウエノ
指が、体が離れる。
ウエノ
こちらもふたたび顔を拭う。
レーラ
離れる間際に、一度だけ、軽くウエノを抱き返して。
レーラ
そうして立ち上がる。
レーラ
ラタスの面影に向き直り、その姿に今一度。
レーラ
触れて。寄り添って。
レーラ
懐から、黒く塗られたナイフを取り出す。
レーラ
そのきっさきを、亡者と十字架を繋ぐ絆しに掛ける。
ブラッドスクーパー
紐は容易く切れる。
レーラ
“小舟に乗った舟人は その歌に心を奪われて”
レーラ
地に這いつくばった、青空の下。
レーラ
“岩礁は目に入らず 上を仰ぎみるばかり”
レーラ
断ち切る。
レーラ
ラタスのものだった十字架を、手の内に収める。
レーラ
それで、終い。
クロウ
その様子を見届けて、二人に聞こえるように声をあげる。
クロウ
「さて、じゃあ…」
クロウ
「まずは、あいつのやり残したことでもやりに行こうぜ」
クロウ
ラタスのやりたいことリスト。おいしい果物を食べる、海を見る、セックスをする。
クロウ
それらは確かに達成していたが、ひとつ残っていた。
クロウ
倒し損ねた亡者を倒しに行く。
クロウ
別に俺たちがやる義務はない、けれど。
ウエノ
「……そうですね」
ウエノ
「倒しに行きましょうか、あいつを」
レーラ
「……亡者相手は、当分いいと思ったけど」
レーラ
「そういうことなら、仕方ないな」
クロウ
「ひひひ」
クロウ
「ああ、でも」
大きなため息を吐きながら、その場に座り込む。
クロウ
「せっかくこんなとこまで来たんだ」
クロウ
「もうちょい、見ていこうぜ」
そう言って、天に向かって指をさす。
レーラ
見上げる。
ウエノ
同じように。
クロウ
その場に倒れこみ、見上げる。
GM
白く渦巻く雲の向こう、深く青い空がある。
GM
救世主たちはどこにも行けないまま、
GM
しかし生きている。
GM
GM
GM
GM
Dead or AliCe
GM
『青い窓を見上げて』
GM
おしまい
GM
GM